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Posted on 2013-02-22スペイン 8エスクード金貨 1719年F cleaned フェリペ5世 EF
スペイン 8エスクード金貨 1719年F フェリペ5世(1683-1746) EF cleaned
直径:37.1mm 重量:27.07gm 金品位:0.917
フェリペ5世はスペインの王。しかし生まれは、華麗なるパリのベルサイユ宮殿。
それもそのはず、祖父はルイ14世。ワイン・グラスを持って「ルネッサ?ンス」と言わなかったけれど、かの有名なフランス国王だ。
祖父、ルイ14世とハプスブルグ家の祖母の間に生まれたのが父のルイ。
ルイは王位を継承する前に他界する。
で、ルイとバイエルン選帝侯の娘マリー・アンヌ・ド・バヴァエールとの間に生まれていたのが、フェリペ5世というわけです。
むろんフランス読みではフェリペじゃなく、フィリップ。
由緒正しい父方、そして由緒正しい母方。両の血を引く家系は、解説文だけでも2、3冊の本になって しまうくらい面倒くさい。
その点加治の家は簡単で、校長のオヤジと華道教師の息子で終り!よけいなことですが。
フェリペ5世はパリ育ちだからフランス語オンリーだ。
それでも祖母がスペイン王家の血を引いているとかなんとかいって、むりやりスペインの王位を継承すべくマドリッドに入場したのが18歳の時。
やりますなあ。日本の皇太子が韓国の国王になっちゃった感じですが、この時、祖父のルイ14世は「よきスペイン人であれ、されどフランス人であることを忘れるな」と可愛い孫を送り出している。
しかし無理な継承はいけません。
案の定フランス以外の各国が反対し、スペイン継承戦争が勃発。ほれ言わんこっちゃない。
今回の蔵出しコインは、無事フィリップがスペイン国王を継承し、あらゆる戦争が終って、ほっと落ち着いたころのものだ。
同じ8エスクードでも1719 F、1721 A、1725 Aの3つは、他の2倍から3倍で取引されているけれど、蔵出しコインもずばり「1719、イニシャルF!」
しかし、だれかが愛情込め過ぎて綺麗に洗って(cleaned)しまったために、相場より15パーセント ほど安くなっている。
Posted on 2013-02-22ブラジル 10000レイス金貨 1725年 ジョアン5世 EF
ブラジル 10000レイス金貨 1725年 ジョアン5世(1689-1750)EF
直径:33mm 重量:26.89gm 金品位:0.9170
リオ・デ・ジャネイロはご存知だろう。
ブラジル最大の都市で、1960年までは首都だった。リオは川という意味、ジャネイロは一月で、「一月の川」という名前。
あわて者のポルトガル人探検家が、一月に発見した湾を、川と間違えて付けてしまったのだが、ブラジルは1500年から1822年まで、長い、長いポルトガルの植民地。
だからといって、どこかの国のように、「植民地支配を謝罪しろ!」なんて言われないし、「歴史認識を共有しろ」とか「賠償金を払え」とか怒られません。まあ植民地なんて、世界に掃いて捨てるほどありますが、そんなことをぐだぐだ言われる国は世界でただ一つでありましょう。
ブラジルコインの特徴は額面が大きいこと。蔵出しコインも10000レイス。そして必ずポルトガルの王の名前が入っているのもブラジル・コインならではだ。
1698年にミナス・ジェライスに金鉱が見つかって、ゴールド・ラッシュが起きる。
蔵出しコインの表を見よ。
4つの大きなMの刻印が眼に入らぬか! これこそミナス・ジェライスの刻印。
時はポルトガル王、ジョアン5世の治世だ。
植民地ブラジルから出る金とダイヤで、国費は潤沢すぎるほど潤沢だった時代。リッチなジョアン5世とミナス・ジェライスの金山の取り合わせの10000レイスは、まさに金運を呼ぶド塊り。
あなたの家のお宝コインとして、大切にとっておくべきでありましょう。
Posted on 2013-02-21ブラジル 4000レイス金貨 1718年 ジョアン5世 EF+
ブラジル 4000レイス金貨 1718年 ジョアン5世(1689-1750)EF+
重量:10.75gm 金品位:0.917
造幣バヒア
大航海時代は終わりを告げ、ヨーロッパは新たな段階に入る。
ポルトガルは英国と組み、スペインはフランスと組み、共に覇権をかけて争う。
ジョアン5世はローマ教皇と接近、イスラムのオスマン帝国戦争に参戦して、聖職者寄りの統治を行えたのは植民地ブラジルから産出される金とダイヤがあったからこそである。
蔵出しの4000レイスに肖像はない。その代り、キリストに身を丸ごと捧げた証として存在感あるエルサレム・クロスがデザインされている。
コレクターならだれでも持っている定番の1枚だ。
Posted on 2013-02-21ブラジル 6400レイス金貨 1803年 EF マリア1世
ブラジル 6400レイス金貨 1803年 EF マリア1世(1734-1816)
直径:約30mm 重量:約14gm 金品位:0.917
マリア1世は、ポルトガルの女王です。 むろんジョゼ1世のお姫様ですが、1760年に叔父さんのペドロと結婚します。 1777年になって夫との二人三脚、共同統治者として女王に即位し、1786年夫の死去後は自動的に単独の統治者となります。
はじめのころは国政に手腕を発揮し、時の運も味方して貿易が絶好調、特にブラジルとイギリスの中間国として、ワイン、砂糖で栄えますが、エンジョイする期間は短かった。 母、夫、長男を相次いで失い、さらには1789年に勃発したフランス革命、ルイ16世とマリー・アントワネットのギロチン処刑にショックを覚え、精神に異常をきたします。 古今東西、近世までの支配者は、おおむね近親結婚を重ねている関係上、遺伝子的に問題があり、それに加えて戦争、暗殺、陰謀渦巻く命懸けの裏切りなど、今では考えられないくらいのプレッシャーとストレスから、たいがいどこかおかしい。 人生の価値の計り方は、とても難しいのですが、幸せを願うものとして、むしろ彼女にとっては、恐ろしい現実が理解できなくなって、かえってよかったともいえなくもありません。 今は天国で心穏やかに暮らしています。なに、なぜ分かるかって? 瞑想すると感謝の言葉が伝わってくるのですよ。「私のコインを大切にしてくれてありがたく思う。礼として、そちを天国で見守っておるぞよ」
今回の蔵出しの金貨は、本国ポルトガルと植民地ブラジルで発行されています。 1795年ものは、226,000枚発行されております。 6400レイス金貨はスペインの4エクスード金貨と同価値であり、夫の死後の単独統治時代に発行された名品です。 18世紀末頃の流行の衣装と一本、一本が丁寧に描かれた髪形をご覧あれ、精巧な仕事です。
Posted on 2013-02-21ブラジル 6400レイス金貨 1780年 マリア1世&ペドロ3世 EF
ブラジル 6400レイス金貨 1780年
マリア1世(1734-1816)&ペドロ3世(1717-1786)EF
重量:14.34gm 金品位:0.917
造幣リオ・デ・ジャネイロ
発行枚数:343,000枚
マリア1世は驚きの長寿だ。
平均45歳くらいであった時代、82歳まで生きたというのだから、現代に直したら160歳くらいであろうか、なにかの間違えではあるまいか?
道路、運河、工業化、鉱山開拓・・・と順調であり、植民地ブラジルとイギリスの貿易中継点として富が転がり込む。
ところが人生とは油断ならぬものである。
母が死に、夫が死に、長男が死に、そして1789年、フランス革命でおかしくなる。
親しかったルイ16世とマリー・アントワネットが処刑されるや、ついに精神が耐えられなくなって、 三男ジョアンに政治のバトンを渡す。
蔵出しの6400レイスは、絶頂期のものだ。
マリア1世と夫のペドロ3世。ペドロ3世の影は薄い。それもそのはず政治に興味がなく、もっぱら好きな宗教的儀式と狩りの日々で一生をまっとうした、ある意味幸せ者なのである。
Posted on 2013-02-21イギリス 5ポンド金貨 1902年 エドワード7世 UNC
イギリス 5ポンド金貨 1902年 エドワード7世(1841-1910)UNC マット・プルーフ
直径:36mm 重量:39.9403gm 金品位:0.9170
発行枚数:8,066枚
1901年からわずか9年間であるものの、かかあ天下のイギリスにあって男の国王が頑張った時代があった。ヴィクトリア女王の長男のエドワード7世だ。王に即位すると、優しい人柄が外交にも現れ「ピース・メーカー」と呼ばれたが幼いころは母親(ヴィクトリア)の虐待とも言える躾で、問題児となる。
愛情に飢え寂しかったのである。
ナポレオン三世に対しても「あなたの子供になりたい」などとまで述べ、日本では考えられないが、王太子は長くパリの娼館に住んじゃったのだ。
即位後も女優たちと浮名を流す。
結婚生活も異常だった。
王妃アレクサンドラには指一本ふれずに、貴族の人妻アリス・ケッぺルをひたすら愛し、死ぬまで片時も離さなかったのである。
このアリス、人妻だがたいへんな美貌の持ち主。
男なら、だれだって依存症になるほど綺麗だ。
当時、これまた日本では考えられないことだが、貧乏貴族の夫を持った美人妻は社交界に出て、より地位の高い貴族と愛人契約を結び、夫の地位向上と、同時に家計も支えたのである。
アリスは、国王と正妻と宮殿で一緒に暮らすのだが、自分の立場をわきまえ、かといって媚びることもなかったので政府高官、貴族たちのウケはよかった。
エドワード7世が他界して26年、アリスは「ロイヤルのミストレス(情婦)は儀礼を第一に心得、あとはベッドに飛び込むだけよ。私はそれを上手くやったわ」と発言し、まさに愛人の鏡とされたのである。
それにしてもアリスを寝盗られた夫は沽券にかかわると思うのだが、国王に決闘を申し込んだ形跡はなく、そして国王が死んだ後、アリスはちゃんと家族の元に返って、遠く離れたセイロン島で2年を過ごしたというから、やっぱ居づらかったんだろうなあ。
奇妙な話がある。
今のチャールズ王太子はダイアナを寄せ付けず、片時も離さなかったのが愛人、カミラ。ダイアナは死に、カミラは正妻になる。そのカミラは、なんとジョージ7世の子だと噂されるアリスが産んだ次女の孫なのである。いやはや、巡り巡って、なんの因果であろうか!
蔵出しは艶消しのマット・プルーフ。渋い大人の金貨だ。
裏面は守護神の聖ジョージが、ドラゴンをやっつけている有名なデザインである。
Posted on 2013-02-21ポルトガル ペカ(6400レイス)金貨 1835年 マリア2世 EF+
ポルトガル ペカ(6400レイス)金貨 1835年 マリア2世(1819-1853) EF+
直径:約31mm 重量:14.342gm 金品位:0.917
発行枚数:2989枚
ポルトガルの摂政ジョアンの息子、ペトロ1世はヘナチョコだ。
1808年、英雄ナポレオンがリスボンに近付くと、戦わずにそそくさとブラジルに逃亡する。
なんとポルトガルの宮廷ごと、そっくり逃げちゃうのだ。
ポルトガルの女王マリア1世が死ぬと、摂政のジョアンがトコロテン式に王位に突き出され、その息子ペトロ1世にもトコロテン式に王太子の座が転がり込む。
で、ペトロ1世は、オーストリアの皇帝フランツ1世の次女と結婚する。
しかし若くして妻が死ぬ。
ペトロ1世はヘナチョコのくせに、相手が弱いと俄然兇暴になるタイプで、妻の早死はペトロのDVが原因だと言われている。
1821年、ヨーロッパでの脅威が薄れると、宮庭は古巣のポルトガルに戻るが、ペトロ1世は居残り、翌年どさくさにまぎれて独立し、ブラジル帝国の初代皇帝となってしまうのである。
しかし才能がない。
アルゼンチンとの戦争に敗れ、愛人の宮廷での我がままを許し、インフレを招き、側近と国民が離反、もともとヘナチョコなものだからあっさりと王位継承権を娘のマリア2世に譲ってしまうのである。
1834年、マリア2世15歳、名実ともにポルトガルの女王となる。
ナポレオンの養子の孫と結婚したがすぐ病死。
翌年、ザクセンのフェルナンド公と再婚する。マリア2世の治世時代、国は比較的安定している。
ヘナチョコの親父と違って、マリア2世は人気があり、そっくりな3種類のコインを発行する。
なにが違うかというと髪型だ。
1、大盛りだんご、2、小盛りだんご、3、短いポニーテール。
蔵出しコインを見ていただきたい。
もうお分かりだろう、これは短いポニーテール・コイン。
発行枚数はわずか2989枚、将来が大いに期待できる一枚だ。
Posted on 2013-02-21ブラジル 6400レイス金貨 1776年 EF ジョゼ1世
ブラジル 6400レイス金貨 1776年 ジョゼ1世 EF
直径:約32mm 重量:約14.34gm 金品位:0.917
ポルトガル王(1714-1777)
ジョゼ1世はポルトガル王、ジョアン5世の息子だ。母親は神聖ローマ帝国の皇女マリア・アナである。 ジョゼ1世は由緒正しいボンボンだが、ボンボンにふさわしく音楽、特にオペラ好きで、やり手のポンバルに国政を委ねた。 このポンバルが、すごかった。 植民地の奴隷制を廃止、産業革命的重商主義もどきのことをやりとげ、ポルトガルをあっというまに豊かな国に押し上げたのである。
1755年、リスボン大地震が発生する。 目を覆う大惨事だ。マグ二チュード9クラスの大地震、5メートルの地割れと共に、リスボンの街がガラガラと倒壊し、6万人が死んだ。 間一髪で生き残ったポンバルは、再建に乗り出す。街を造り変え、聖職者の反対を押し切って、市内に転がっている遺体を沖に流して水葬にしたのだが、これで疫病は発生しなかった。 やればできる! 東北もポンバルがいれば、もっと早く復興できるのに。よけいなことですが。 これに気をよくしたジョゼ1世は、ますますポンバルを重視する。 「みなの者、余はポンバルに任せた。すべてあの男に訊け!」
頭にきた貴族たちはジョゼ1世、暗殺未遂事件を引き起こす。 貴族は弱い。あれよあれよというまにポンバルは、拷問、投獄、処刑・・・そこまでしなくともいいのにというほどの大弾圧に乗り出し、ポルトガル最大の大貴族なんかは文字通り八つ裂きの憂き目にあう。 ポンバルのすごいのは、その矛先をカソリック最大の組織、イエズス会に向けたことだ。 陰謀に加担したとして領地を没収し、審問所を収奪。他のキリスト教、ユダヤ教を平等に扱い、ユダヤ系ポルトガル人を迫害から救ったのである。この辺がポンバル・フリーメーソン説が流れる由縁だが、はっきりいってポルトガルは今でもフリーメーソンが強い。リスボンの検察庁入口には、堂々とフリーメーソン・マークが打ちこまれている事実は、おやおやだ。 ポンバルはジョゼ1世が死ぬまで独裁者として仕えたが、ジョゼ1世が死去すると未亡人マリアナ・ビクトリアは、非情なポンバルを徹底的に嫌った。 たちまち宰相を解任し、田舎にリタイヤさせ、ポンバルは平和のうちにこの世を去ったのである。幸せだったと思う。
蔵出しのコインは、ジョゼ1世の肖像。 くりくりのカールヘア、一見、女性のようで、美し過ぎる顔だ。 ブラジルの6400レイスの、もう一種類は、娘のマリア1世。父娘でそれぞれ6400レイスを飾っているのである。 安全第一財産保全型の、典型的な地金型金貨だ。
Posted on 2013-02-21ドイツ ミュンスター 6ダカット金貨 MDCLXI(1661)UNC
ドイツ ミュンスター 6ダカット金貨 MDCLXI(1661)UNC
直径:約47mm 重量:約21gm 金品位:0.9860
FR1773
大ピピンと小ピピンがいる。
いきなりそんなことを言われても、ピピンと来ないだろうが、大ピピンは5世紀と6世紀をまたいでピンピンしていたカロリング家の先祖だ。
カロリング家ってなんだ?
フランク王国のメロビング朝に仕えていたくせに、謀反を起こして、造ったのがカロリング朝だ。
What isフランク王国?
尽きない疑問。
はいはい、5-9世紀にかけて西ヨーロッパ全土を支配したゲルマン系の王国。限がないので、これはこれでやめる。
さて、お次は真っ黒い髭で顔がおおわれている小ピピン(714-768)とは何者か?
大ピピンの孫の孫で、初代カロリング朝の国王だ。
その小ピピンの子供、カール大帝によって司教座がおかれたのが、ドイツの街ミュンスターである。
ふー、ようやくこのコインに描かれている街にたどりついた。
現在は人口約30万の人の大学都市だが、なんといっても有名なのが「ヴェルファーレン条約」だ。
1648年、この条約によってカソリックとプロテスタントの死闘、30年戦争に終止符が打たれたという世紀の和解なのだが、その舞台がミュンスターなのである。
お互い痛み分け。領土を尊重し、それぞれ干渉しない。
早い話が、もう大人なんだから「君は君、僕は僕されど仲よしでいこうよ」ということだ。
事実上、プロテスタントが勝ち取った勝利なのだが。
コインに描かれているのはアルファベットの暗号年号だ。
MDCLXIで1661年。
解読はこうなる。
M=1000
D=500
C=100
L=50
X=10
I=1
すなわちM D+C L+X I
(1000)+(500+100)+(50+10)+1=1661年となる。分かるかな?
第二次世界大戦の戦火で街は破壊されたが、大型コインの裏面にはあちこちに塔が立ち並ぶ17世紀のミュンスターがくっきりと描かれている。
空に浮かぶ聖パウロはどことなく、アニメのようだ。
コインの状態はすばらしく、どんな虎の巻を調べても発行枚数は不明。しかし間違いなく希少であることが分かっている。
大型金貨で希少、買った者勝ちだ。
Posted on 2013-02-21モロッコ タンジール 500ディルハム金貨 1954年 UNC
モロッコ タンジール 500ディルハム金貨 1954年 UNC
直径:22.5mm 重量:33.93gm 金品位:0.917
注目すべきは「世界初の1オンス金貨」だということである。
なんにつけても初物には価値がある。
500ディルハムなんて単位が刻印されているが、通用させるつもりはなかったので金貨というより金塊に近い。
裏の刻印は「1トロイオンス、31.103gmの金、品位9167」そして「N.M.ROTHSCHILD&SON」となっている。
ようするに、かのロスチャイルド家が精製したコインなのである。
表には第一銀行、タンジール。
なぜ発行場所がモロッコのタンジールか?
その前に、モロッコの正式名称が興味深い。
聖徳太子は自分の国を「日出る国の天子」と言ったが、モロッコは逆だ。
正式名はアラビア語のアル=マムラカ・アル=マグリビーヤ。「日の没する地の王国」である。
日没なんて縁起悪くないのか?
と、つい日本人は心配してしまうが、価値観が違う。砂漠の夕日は美しく、涼しいのだ。
モロッコは1956年に独立するまではフランス領で、蔵出しコインは、独立2年前生まれだ。
ヘラクレスの裸像が描かれている。ヘラクレスとユダヤ系ドイツ人のロスチャイルド家と、どうつながるのかは不明である。
そもそもロスチャイルド家は、アンティーク・コイン商だ。
1801年、ヨーロッパ最大の遺産を相続したヴィルヘルム1世(ドイツ中央部ヘッセン選帝侯)の財産管理を任され、巨万の富を得る。
彼を見習って、せっせと蔵出しコインを買って貯めれば、将来ロスチャイルドのような大富豪になるかもしれない。よけいなことだが。
ロスチャイルドは石油、鉄道、鉱山、ダイアモンドのデヴィアス・・・ありとあらゆるものに投資し、数え出したら嫌になるくらいカネをバラまいているが、なんといっても金貸しでノシ上がる。
ロスチャイルド家の金融群は三つに分かれている。
1つはスイスを拠点にした金融群、2つ目はパリが拠点で、3つ目はロンドンだ。
そしてそれぞれが、複数の銀行、複数の保険会社などを所有しているというのだから、もう雲上人だが、みなさんだってロスチャイルドゆかりの品を家における。
そうこの蔵出しコインだ
地金型として売り出したものだが、しかしそんじょそこらにある毎年売られている地金型とは違って、1954年の1回こっきりである。
つまり地金型からアンティーク・コインの領域に格上げになる、出世コイン。
ロスチャイルドの出世コインを持てば金運がつくというのは、加治だけの思い込みだろうか?。
Posted on 2013-02-12イスラエル 100リロット金貨 1969年 PF/FDC
イスラエル 100リロット金貨 1969年 PF/FDC
直径:約33mm 重量:約25gm 発行枚数:12500枚
中東で紀元前1200年代のいろいろな出来事を記した石板が発見されている。
そこになんと「YSRYR」(イスラエル)という文字が刻まれていたというから、驚くじゃないか。
紀元前1200年代であるぞよ。
想像しただけで、こりゃえらいことである。
日本なんぞ、文字の初見は4世紀前半の土器。それも「田」の1文字。
しかしこれだって、学者の意見は分かれていて、単なる模様だという説もある。加治も見たが、どう贔屓眼にみても模様にしか見えないが・・・。
それはそれとして、イスラエルは「秘密+神」を意味するヘブライ語だ。
かれらはどこから来たのか?
加治の推測では、エジプト人の中にヤァヴェイを信仰する一神教が流行った。
やがて彼らが迫害され、モーゼのストーリーのごとく分離逃亡し、エジプト兵の追ってから逃れるために、自分達の存在すら秘密にしたのである。
だからイスラエルは「秘密+神」なのである。
この辺を語らせたら、一家言を持つ加治、あまり語らせない方が無難だと思うが、触りだけをしゃべるとモーゼはラムセス3世を殺害した兄弟だ、という独自の説を持っていて、ピラミッドの内部まで分け入って瞑想した作家は、話すと止まらなくなるのでやめる。
イスラエルの建国は、第二次世界大戦が終ったすぐの、1948年。
彼らにしてみれば、故郷の地に戻ってきただけであって、それはとうぜんの権利となる。
しかしパレスチナ側には、占有していた権利がある。
どっちの権利が正しいかなど、だれも判断できないので、不幸なことに力の勝負に出て、国を作っちまったのだ。
蔵出しコインは1969年発行。
建国21周年記念コインということになるが、21周年記念なんて、我々日本人にはどうしたらそんな半端な数字になるのか想像もつかないが、そこは天才揃いのユダヤ人のこと、なにか隠された思惑でもあるのではあるまいか? などとつい勘繰ってしまうのである。
意味もまったくなく、単なる気まぐれで21周年にしていたら怒るけど。
典型的な地金型コイン。
金品位(純度)はコインによって違うが、これは80%。
すると25gm×0.8=20gmだ。
つまり金は20gmとなる。
12月30日現在、金地金がgm=約4633円だから、20gmで92,660円だ。
地金型コインはほぼ20%のプレミアムがつくので111,192円となる。
金はこれから上がるか、下がるか?
オバマさんも安部さんも、インフレを目指しているので、理論的には上がる。あなたの勘は? 加治は、金というより、コインなら見境なく上がるとみている。
理由?
単純だ。減る一方なんだもの。
Posted on 2013-02-12ポーランド 2ダカット金貨 1660TT ヨハン・カシミール EF
ポーランド 2ダカット金貨 1660TT ヨハン・カシミール EF
直径:約30mm 重量:約6.73gm
ポーランドといってもぴんとこない。
人口3800万人の小国で、西欧とロシアの間に位置し、首都はワルシャワだ。
地理的に平原で住みやすく、有史以前から民族、人種の交わりが多く、各年代の文明は幾層にも折り重なっている。
ゆえに底の底に埋まっている古代発掘は困難だが、ポーランド人は紀元前5500年の世界最古のチーズが出土したことにとても満足しているのである。
チーズ自慢を、どう解釈していいんだろ? まあ、いいやね。
6世紀ごろまでスラブ系民族がまったりと住み、彼らが軸になってポーランド人と呼ばれるようになるのだが、
ポーランド公国としてキリスト教世界に認知されたのは966年だ。
1025年、ローマ教皇から王の冠を貰い、無事ポーランド王国となる。
ところが1241年、大変な事態におちいる。
東の黄色い悪魔、モンゴルの来襲。
朝青龍とか白鵬みたいな細い目の騎馬軍が、胸に矢が二、三本刺さってもへっちゃらで突っ込んできて略奪、殺戮、強姦の限りをつくしたのだから恐怖のどん底だ。
時は九州蒙古襲来(1274年、1281年)の30年前であり、このヨーロッパ侵略後、モンゴルは太っとい首をグリっと180度東に回転させて狙いを日本に定める。
ガタガタ、ブルブル・・・威圧的国書を送って(1268年)寄越すのであるが、その中で、ポーランドのことを告げているために、日本にもポーランドの国名が伝わったのである。
モンゴルは草原が恋しくなったのだろう、一切がっさいを持ちだして自発的にポーランドから引き上げる。
ポーランド人も、元いた場所に戻り、モンゴルに対する防衛的見地から、屈強なドイツ人たちをガードマン的に移住させのである。
したがってポーランドは民族的に寛容にならざるをえず、14世紀には、ドイツで迫害されたユダヤ人を受け入れたり、多民族国家の様相を呈しはじめる。
1573年にはすべての貴族が1人1票を持つなど、かなり民主的な方法で国王を選んでいる。投票で選ぶ国王って、なんだろう? 安土桃山時代、投票で天下人を選ぶ発想など、1ミリもなかった我々からすると、西欧人ってお利口にみえちゃったりするのだが、今回の蔵出しのヨハン・カシミール王の時代のポーランドは、力がガタ減りした 時代だ。
ロシアとは外交的につまずき、スウェーデンとは戦争となり、そして大洪水・・・。
それだけにコインの種類も少なく、この時代のものは貴重品だ。
なかでも今回の蔵出しは、飛びぬけて保存状態がいい。
現存枚数は?
1908年のKOPICKIのコインカタログには(R5)の表示がある。
Rは貴重品を現す表示でRからはじまり、R2、R3・・・たしか最高がR7だったと思う。
正確な現存枚数は、どのカタログでも不明だが、ヨーロッパのコイン・ディーラーの間での予想では20枚から40枚がR6ということで大珍品である。
自画自賛のようだが、加治はスタート時点からグレードにはこだわっており、低いものには見向きもしなかったので、どれも見事だ。
こういうコインを持っていれば、将来大化けの可能性がある。