加治将一オフィシャルサイト 『加治将一の部屋』

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Posted on 2013-02-12
イタリア 100リレ金貨 1925年 ヴィトリオ・エマニュエーレ3世 マット・プルーフ UNC   

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イタリア 100リレ金貨 1925年 ヴィトリオ・エマニュエーレ3世 (1869-1947)

マット・プルーフ UNC

直径:約35mm 重量:約32gm 発行枚数:5000枚

まいどおなじみ、マルタ騎士団から金羊毛騎士団まで15以上の騎士団に入会していた騎士団大好き王だ。

騎士団オタク王といってもいい。

 

今回は金羊毛騎士団について語る。

金羊毛騎士団という名称は、どうにもぴんとこない。というか、間抜けなサウンドだ。

誤訳ではないにしろ、一流騎士団なのに、なにかこうヘコたれていて情けない。

訳すならせいぜい金羊皮騎士団だろうなあ、それでもへんてこなので、英語ふうに「ゴールデン・フリース騎士団」にする。この方が締まる。

 

創設は1430年。

ブルゴーニュ公であるフィリップ公が造ったのだが、ゴールデン・フリース騎士団の守護神は新約聖書に出てくるイエスの使徒、聖アンデレ(アンドリュー)だ。

ちなみにゴルフ全英オープンのセント・アンドリュースは、この聖アンドレのことであります、どうでもいいけど。

 

金羊毛はギリシャ神話に由来する。

ネペレ王妃が、2人の子供を逃がす時にヘルメス神が与えたのが金の羊皮だ。

金羊皮に乗って、空を飛んで逃げるのだが、ギリシャ神話なので、結末はよく分からない。金羊毛は宝物になったとか、空の彼方の牡羊座になったとか、行方不明なのだが、フィリップ公が造ったゴールデン・フリース騎士団は、ハプスブルグ家に継承され、後にスペインのブルボン王朝にも流れたそんじょそこらにあるナンチャッテ騎士団とは格が違う。

ちゃっかり、この「ゴールデン・フリース」を自社のマークにいただいちゃったのがアメリカの老舗洋服メーカー「ブルックス・ブラザーズ」だ。

 

ハプスブルグ家が勢いを増すと、31名だった団員が51名となる。

今は本家争いの末にスペインとオーストリアの2系統に分かれてしまっているが、スペインの方が有力だ。

ちなみに明治天皇、大正天皇、昭和天皇、今上天皇のすべてがスペインのゴールデン・フリース勲章を受章している。メー、メー。

 

さて今回の蔵出しはメー、メー騎士団員のヴィトリオ・エマニュエーレ3世のコインであるが、欲張って二つの題材を同時に記念した一粒で二度おいしい珍品だ。

表面は1900-1925年のヴィトリオ・エマニュエーレ3世の在位25年をしっかりと祝い、裏面では第二次世界大戦への参戦10年目を記念している。

 

マット・プルーフ仕上げというのも渋い。

光沢部分がないので重厚感が溢れ、哀愁漂うワビとサビ。渋い男はこうでなくちゃいけない。

加治がコインになるなら、マット・プルーフになりたい。

男の中の男のコイン。昔、いたなあ?チャールズ・ブロンソン。

お宝の一品である。

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Posted on 2012-12-30
イスラエル 100リロット金貨 1968年 エルサレム統一 FDC        

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イスラエル 100リロット金貨 1968年  エルサレム統一 FDC
直径:約37mm 重量:約25gm

1967年に、第三次中東戦争が起っている。
イスラエル対エジプト、シリア、ヨルダン。
イスラム勢力によるゲリラ闘争が繰り返されており、キナ臭かったとはいえ直接の引き金は、
エジプトの海峡封鎖だ。
頭にきたイスラエルは電撃攻撃に出た。
指揮をとったのは、あの片目のダヤン国防相だ。
あっという間にエジプトのシナイ半島、およびガザ地区を奪取し、シリアのゴラン高原を制圧、つづいて
ヨルダンからは東エルサレムとヨルダン西岸全域をブン奪った。わずか6日間のぶっちぎりの圧勝である。

翌年、またもやイスラエルがレバノンのベイルート空港を奇襲、民間機13機を爆破したが、今回の蔵出しコインは、硝煙立ち上るその年発行だ。

デザインは、エルサレムの街と、ユダヤ教には欠かせない七本腕の蜀台、メノーラ。他のイスラエル・コインと較べて抜群に美しい。
財産保全としては、もってこいの地金型コインだが、将来は地金型の殻を破り、アンティーク・コインの仲間入りするぐらい値上がりすると思う。

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Posted on 2012-12-30
イギリス 5ポンド金貨 1893年 ヴィクトリア女王 オールド・ヘッド EF+ 

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イギリス 5ポンド金貨 1893年 ヴィクトリア女王(1819-1901)EF+
直径:約35mm 重量:約39gm

コイン・コレクションにはやっぱりこの人、偉大なる大英帝国ヴィクトリア女王が1枚なければお話にならない。
極上のコレクター・アイテムだ。
同じヴィクトリア女王でも、こっちは二重顎ふうで油の乗り切った晩年の顔だ。
この世に2人といない、非の打ちどころのない大女傑。
「なんでもおっしゃい、なにが欲しいの?」と上から目線で言われているようで、包容力のド塊である。
年上女に身を預けたいというマザコン・コレクターにはぴったり。
欠点と美点が争いながら、ついには七つの海を制覇した偉大なるヴィクトリア女王様を、家族のお守りにする なんて、怖いほど御利益がありそうでもある。

EF+だが、それにしてはきれいすぎてUAだと思う。

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Posted on 2012-12-30
イタリア ジェノア 96リレ金貨 1796年 UNC                            

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イタリア ジェノア 96リレ金貨 1796年 UNC
直径:約33mm 重量:約25gm

そのころイタリア北部は、屈強なオーストリア軍に占領されていた。
イタリアの男は、ローマ帝国が滅びたあとはさっぱりで、てっきり去勢されたのかと思ったら、女にだけは
目がないのだから始末に悪い。

迫りくるオーストリア軍。イタリアが頼るは、フランスの軍隊しかない。
そしてフランスにとってもオーストリアは野放しにできない相手だった。
満を持して登場したのが、かのナポレオンである。イタリア方面砲兵隊司令官をおおせつかっていたナポレオンは
イタリアを開放すべく、進軍した。

進軍直前の、ナポレオンの有名なアジ演説がある。
「兵士諸君、今我々は丸裸だ。食べ物もない。我が政府が諸君にくれるものはこれっぽちもない。
だが私は、諸君を世界でもっとも肥沃な平原に連れてゆく。諸君はそこで名誉、栄光、富のすべてを得るであろう。さあ、共に行かん!」

詐欺すれすれの大ボラだが、この言葉にたらし込まれたフランス軍は、みごとオーストリアとサルディニアの連合軍を破って、イタリア解放を果たしたのである。

「神様! キリスト様! ナポレオン様!」
と叫んだかどうかは知らない。
しかしイタリアは、進軍成功、ナポレオン万歳の願いを込めて、発行した。それが今回の蔵出し、「96リレ」だ。
表は「神の御加護を!」とばかりに、ふぁふぁの雲の上に聖母子像が描かれている。
子供は鼻歌まじりに自分のオチンチンを触って遊んでいるように見えるのは気のせいだろうか。失礼いたしました。

裏は2匹のグリフィンだ。立ちあがって紋章と王冠を支えている。
グリフィンは上半身が鷲、下半身がライオンという伝説上の動物だ。
その存在は古く、ギリシャ時代に見られるが、最近ではハリー・ポッターやナルニア国物語でも活躍する
ポピュラーなキャラクターである。
「グリフィンは黄金を発見し、守る」
この言い伝えがあって、セレブにモテモテなのである。
あなたのためにゴールドを発見し、また、あなたの元からゴールドを奪う不届き者を八つ裂きにする
グリフィン金貨は、縁起ものだ。

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Posted on 2012-12-30
スイス 20フラン金貨 1873年 UNC    

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スイス 20フラン金貨 1873年 UNC
直径:約21mm 重量:約6gm

日本人が、スイスで知っているのはアルプスの少女ハイジくらいなものだ。
歴史はまったく知らない。
スイスの英雄は?
ウィリアム・テルがいるだろう。
しかし、いつも草原を走り回っている可愛いハイジがスイスには似合っている。

ところが実態は、平和のイメージとまったく異なっている。
ほとんどの家に核シェルターを備え、男子は予備役軍人として家に小銃を保持し、道路わきには戦車止めが常設 され、ほとんど臨戦態勢なのだ。
侵略につぐ侵略、血ぬられた歴史が防衛軍備を強化させたのである。

そもそもハプスブルグ家の先祖はこの地の出だ。
ローマのユリウス家の子孫を名乗り、この地にあった城の城主となる。その城の名が「鷹の城」、つまりドイツ語で ハプス(に近い発音)は鷹で、ブルグは城、いつのまにか城主はハプスブルグ家と呼ばれるようになったのである。

つまりハプスブルグ家はスイスで力を付けたのだ。
それなのに、紆余曲折の末、シュヴィーツはじめ3つの州が、ハプスブルグ家に牙をむいて、反同盟を結んだ。
このシュヴィーツが「スイス」の語源となる。
したがってスイスは、反ハプスブルグ色が強いのである。

1291年の出来事だが、スイス独立の口火を切ったのがウィリアム・テルだ。

今回の蔵出しは、これぞ掘り出し物の一品。
珍しい試作金貨である。身は小さいくせに値段は一人前なのはそのためだ。
デザインは素朴で清らか、スイスを擬人化した女神ヘルベティアがバランスよく描かれている。
本国でも最近は超人気の一品で、1000フラン以下では見つからない。
なぜ加治の蔵に紛れ込んでいたのか、随分前のことなので記憶にない。
まあ、だいたいのコレクションは古のことだから、ほとんどが記憶にないけど・・・
はたしてこれから誰の蔵に収まって、懐を潤すだろうか?

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Posted on 2012-12-30
アメリカ 5ドル金貨 1800年 EF+     

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アメリカ 5ドル金貨 1800年 EF+
直径:約20mm 重量:約8gm

1800年といえば、首都をワシントン市に決めた年だ。
ワシントンというのは、有名なフリーメーソン、ジョージ・ワシントン大統領の名だが、個人名を首都に押し込んでしまったのだから、大胆というかなんというのか、日本なら、さしずめ東京を伊藤とか田中にしたようなもので、いかに
フリーメーソンが強力だったか、よく分かるはずだ。
まあ、自国通貨の1ドル札にフリーメーソンのシンボル、全能の目とピラミッドを入れ込むくらいだからそのパワー
たるや推して知るべしだが。

蔵出しコインは、独自通貨発行開始直後の大変珍しい5ドルだ。
自由の女神がリバティキャップをかぶっている。
なぜこれがリバティキャップと呼ばれているのかは不明だ。前年の1789年の独立戦争の興奮冷めやらぬ
といったふうである。

1800年ものは37628枚製造。
けっこう多いなあと思うかもしれないが、そこは100万枚、200万枚と造るコイン大国アメリカ、これでもめったに
出ない珍品として扱われて、値は張る。
サンショウは小粒で、ピリリと辛い、はっきりいって入手困難品なのである。

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Posted on 2012-12-29
フランス フランカ・シュヴァル(1346-1384) UNC

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フランス フランカ・シュヴァル(1346-1384)UNC

直径:約28mm 重量:約3gm

フランスの「フラン」という現通貨単位は、当時の国王ジャン2世(1319-1364)が造った。
フランはフランク王国からとった名前である。
ジャン王2世は自らがフランクの王だと宣言し、そのノリで「フラン」にしたのだ。

フランク王国というは、5-9世紀、西ヨーロッパ全土を揺るぎない領土に持った空前絶後の大国家だ。
それに較べて後のフランスなど、そのフランク王国が細切れになった一つであって、ちっこいくせに、
ジャン2世は大見栄を切ってみせたわけだが、「善良王」と呼ばれるくらい人柄がよく、これでひとまず「フラン」という通貨が誕生したのである。

最初のフランは、「フランカ・シュヴァル」と呼ばれる。
その後フランになり、他にもエキュとかリーブルが登場し、1795年フランス革命後、10進法になって
1フラン=110ドゥシーム=100サンチームとなってゆく。

さて今回の蔵出しコインだが、なんと最初のフラン金貨「フランカ・シュヴァル」である。歴史的価値満点!
なに本当かって?
こんなところでダボラを吹いてどうする。
嘘だと思うなら、ウィキペディアで、「フランカ・シュヴァル」を検索していただきたい。写真が載っている。バリバリに
一致するはずだ。
加治は諸君に、この歴史的遺産を味わっていただきたく封印を解いたのだ。
未使用のほれぼれする状態で、手にしたらほんとうに虜になってしまうので気を付けていただきたい。

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Posted on 2012-12-29
オーストリア 100コロナ金貨 1908年 フランツ・ヨーゼフ1世  PL/AU     

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オーストリア 100コロナ 1908年 フランツ・ヨーゼフ1世(1830-1916)

在位60周年記念金貨 PL/AU

直径:約36mm 重量:約33.9gm

京都近江屋で坂本龍馬が暗殺されたころ、ヨーロッパでは、オーストリア帝国が、ガタついていた。
内部住人であるマジャル人、まあマジャル人というは、ノアの箱舟が辿り着いたというアララト山が含まれるコーカサス地方に住む、いわゆる白人コーカソイドで、ユダヤ系も混じっていたりするのだが、そのマジャル人の圧力によって、いわば半独立国として自分たちの国、ハンガリー王国を認めろ!と騒いだのである。
で、要求は通った。
その結果、フランツ・ヨーゼフ1世は、オーストリアの皇帝にして、ハンガリア王国の国王となる。

国名は「オーストリア=ハンガリア帝国」などとヘンテコに書くが、支配層はドイツ人だ。
領土は広く、オーストリア、ハンガリーはむろんのことボヘミア、ボラヴィア、スロヴァキア、クロアチア、ボスニア・・・などを抱える多民族の大国家が出現した。
今どきの若者なら「スゲーなあ」と、教養の欠片もない感嘆語を漏らすかもしれないが、フランツ・ヨーゼフ1世の血筋を知れば、スゲーのも納得する。

祖父はかの神聖ローマ帝国皇帝フランツ2世だ。で、父親はカール大公。
つまりオーストリア=ハンガリー帝国は、華麗なるハプスブルグ家最後の帝国だったのである。
徳川は300年で崩壊したが、ハプスブルグ家はなんだかんだと650年もの間、君臨していたのだからさすがだ。

フランツ・ヨーゼフ1世の母は、バイエルン王の娘ゾフィーである。
これまたえらい美貌の持ち主で、息子のマザコンはそれが理由だと、加治は見ている。
母をしのぐ美女、エリザベートと結婚したのは、母親を振りきるためではないだろうか。
そうそう、昔宝塚に一度招待されて観た、演目が「エリザベート」だった。
だからなんだ、と突っ込まれても、なにもないので、突っ込まないでいただきたい・・・。

1908年、大変な事件が起っている。
「サラエボ事件」だ。
セルビア民族主義者の「黒手組」が、なんとオーストリア=ハンガリー帝国皇太子夫妻を暗殺したのだ。
この事件がきっかけとなって、第一次世界大戦が勃発するのだが、最近になってセルビア政府の陰謀ではなく、 レーニン率いる共産主義が、世界革命の一貫として、黒手組を組織したという調査もある。

蔵出しコインは、サラエボ事件勃発の年だ。
なのにコインは、穏やかである。
サラエボ事件はもちろんのこと、8年後に起る世界大戦さえも夢想だにしなかったのか、それほど平和的だ。
フランツ・ヨーゼフ1世の肖像も見事だが、裏面の「雲上の女神」が静かに輝いている。
説明書きを長く書いた。説明原稿料より安い値段で出品するので、大切にして欲しい。愛を込めて!

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Posted on 2012-12-15
イギリス 5ギニー金貨  1711年 アン女王 F   

 

イギリス 5ギニー 1711年 アン女王(1665-1714)F

直径:約38mm 重量:41.75gm

アン女王の皮切りはスコットランドの君主。
続いてイングランド、アイルランドの君主になり、勢いは止まらずとうとう初代グレート・ブリテンの君主に上り詰めたすげぇ女傑だ。この史実は、意外と知られていない。
アン女王は強い。
スペインをぶっ飛ばし、フランスには連勝につぐ連勝で、よほど頭に来たのか、フランスとは、戦場を植民地の北アメリカに移してもまだしつこく闘ったが、こっちの方は引き分けた。

イギリス人のくせに、敵国フランスのブランディが大好きという国賊みたいな王女だが、酒豪ガブ飲みが祟って、すっかりおデブちゃんになってしまい、晩年の西郷隆盛と同じに、輿に乗って移動したという。歩けなかったのは、おデブちゃんだからだけではなく、アル中のせいもあったと、見ている。
ただよく国民にはモテた。
今回の蔵出しコインも、イギリス大型金塊の代表作となって人気が高い。
コインの表に、いかにもリッチというぷっくりアン女王が、綺麗に描かれている。
眺めていると今にも「呑みましょ、呑みましょ」と誘われそうだが、イギリス大型金貨の5ギニー、8種類の中の1つであり、アン王女の5ギニーは、コレクターの一枚としてビシッとキメたい基本中の基本コインだ。

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Posted on 2012-12-15
ブラジル 20000レイス金貨 ジョアン5世ポルトガル王 VF   

 

ブラジル 20000レイス金貨 1725年発行
ジョアン5世ポルトガル王(1689-1750)VF
直径:約38mm 重量:約53.78g

ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、南アメリカの頭文字がBRICs(ブリックス)だ。
一時の勢いは衰えたとはいえ、欧米と較べればまだまだ絶好調。徴税能力は低い、楽々脱税国家だから富裕層はへっちゃらである。
アメリカの経済紙、ブルームバーグは2015年にはヨーロッパ中の高級ブランド品店は、ブリックスの人々であふれるだろうと予測した。
世界経済の頼りだ。
リッチになれば、考えることはただ一つ、投資&財産保全だ。
で、アンティーク・コインなのである。
土地、株、金、あらゆる中で一番確実な投資&財産保全法だというのは歴史が証明し、プロの投資顧問すら兜を脱ぎ、『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』に散々書いたのでもうくどくどと語るまい。

ブラジル人富裕層が、狙うNO.1金貨はなにか?
そう、言わずと知れたこの20000レイスだ。

ブラジルはミナス・ジェライスの金鉱から採れた金をふんだんに使っており、なにせ重みが違う。
大貫録の53.78g。
ナポレオン3世100フランが32gだから、それに較べてずっしり横綱級だ。
将来有望お宝ブラジル・コインは、この20000レイスでキマり、右に出るやつはいない。
諸君、早い者勝ちですぞ。

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Posted on 2012-12-15
ドイツ・ハンブルク 5ダカット金貨 船と灯台 1803年 EF 

 

ドイツ・ハンブルク 5ダカット金貨 船と灯台 1803年 EF

直径:約40mm 重量:17.29gm

覚えているかな、「ハンザ同盟」。たしか中学生で習ったと思う。
神聖ローマ帝国内で造られた、神聖ローマ帝国に忠誠を誓う、ドイツ圏内の自由都市同盟だ。
その起源は12世紀に遡る。
ドイツを中心とした都市間交易の特権狙いの商人同盟がはじまりだ。早い話が、余所者を排除し、互いに甘い汁を吸いたいわけで、いつの時代にも商売には縄張りがあり、拡大しようとすると昔は殺し合いになったものだ。
「テメー誰に断って、ここで店ひろげてやがんでぇ」
いってみればヤクザみたいなものだから、武力が必要不可欠となる。
後ろ盾になったのが、北方十字軍のドイツ騎士団だ。
恐ろしげなドイツ騎士団を用心棒にした都市間ネットワークがハンザ同盟だが、ヨーロッパ全土へと広がってゆき、15世紀の最盛期には200の都市が加盟した。
しかし1410年ドイツ騎士団はポーランド、リトニアの大連合軍に敗れる。
この躓きに、さらに足払いをかけたのが英国王の支援を受けたイギリス商人、それにチャンスをうかがっていたけっこうヤバイ、オランダ商人グループだ。ぐんぐんと食い込み、経済的、政治的に追い詰め、ヘトヘトになった「ハンザ同盟」は、1669年機能マヒにおちいる。

どっこいハンザ同盟、自由都市は生きていた。
いまでもハンブルクとブレーメンだけは「自由ハンザ都市ハンブルク」「自由都市ブレーメン」が正式名称だ。

ハンブルク、リューベック、ブレーメン、フランクフルトは、自由都市を細かく、細かく描いた名品、珍品コインの数々を世に排出しているが、これだけはコレクターとして覚えておいて欲しい。
つまり自由都市発行のコインは、君主の肖像がないのが特徴なのである。
自由、平等都市の面目躍如だ。
今回の蔵出しコインは、その中でも珍しい5ダカット、現存推定20枚である。
さらりと言ったが、もう一度言う、現存推定20枚ですぞ。
なにかの間違いではないかと思うかもしれないが、この自由都市の素晴らしい波動を味わってもらいたく、この値段で蔵出しする。
幸せ者!

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Posted on 2012-11-14
イタリア 100リレ金貨 1912年 UNC

 
イタリア 100リレ金貨 1912年 UNC
ヴィットリオ・エマニュエーレ3世(在位1900-1946)

直径:約35mm
重量:約32.25g 
金品位:0.9000 
造幣:ローマ
発行枚数:4,946枚

両親は名門サヴォイ家の従兄妹。近親結婚のせいなのか、本人は、153センチの小男だった。

劣等感から気難しかったと言われているが夫婦はことのほか円満で「君臨すれども統治せず」を貫き、政治への口出しは嫌ったらしい。

第一次大戦が起こり、連合国側につく。勝利するが、国内は疲弊し革命運動が巻き起こった。その反動でファシズムが育ち、ロシア共産革命の二の舞を恐れるあまり、国王はファシストに味方した。貴族、資本家も坊主頭のムッソリーニ率いるファシストになびいた。で、第二次世界大戦が勃発。ご存知、日独伊三国同盟を結んで参戦、ところがムッソリーニは見かけ倒しで弱かった。あっさりと負け、サヴォイ朝イタリア王国は崩壊、王家一族はエジプトへ亡命した。

ヴィットリオ・エマニュエーレ3世の趣味は騎士団。ロマンを感じていたのか無類の騎士団オタクだ。イタリア王立騎士団、イタリア植民者騎士団、聖ラザロ・モーリス騎士団、聖アンヌツィアータ騎士団、サヴォイア民衆騎士団、ローマ騎士団、サヴォイア老兵騎士団など、それぞれの団長になり・・・他もマルタ騎士団、カーター騎士団、全部で20ほどの騎士団に加盟している。

それ以外の趣味は、なんといってもコインだ。

この人の集中度は凄まじく、莫大な古代ギリシャ、ローマ・コイン研究家、収集家だ。凝り症で、デザイン的にはホームラン級のコインを連発し、我々後世のコレクターを楽しませてくれている。

蔵出しコインは明治天皇没年の発行だ。そのころはまだイタリア王国も平穏で、農業国家イタリアをほのぼのと象徴したデザイン。スタイル抜群の女神が大地に鍬を入れている絵柄は、農作物の豊作を願うもので美しい。なんとも牧歌的で、心休まる。発行枚数は4,946枚、稀少品だ。

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