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イギリス 1ソヴリン金貨 1592~1595 エリザベス1世 VF

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イギリス 1ソヴリン金貨 1592-1595 エリザベス1世(1533-1603) VF

直径:約43.1mm 重量:約15.4gm

エリザベス1世である。もうこれだけで「ハハ―」と跪いてしまうほどの鉄女、威厳のカリスマだ。

そのストロングスタイルは、どこからきたのか?

母親の悲惨な運命ではないか。母の家系は平民で、3代前は農家出身の絹織物工見習だった。

ひいじいさんが田中角栄みたいに財を造って、ロンドン市長になる。息子に「サー」の称号をとらせてからがすさまじい。貴族や王家の妾として娘を差し出すことをいとわず、その一本やりでノシ上がってくるのだ。

エリザベスの母、アンも伝家の宝刀を抜く。ヘンリー8世の妻キャロラインの侍女に潜り込んで、ついにヘンリー8世の愛人になっちまうのである。

野望に燃えるアン。正妻になることを決意し、ヘンリー8世をテクニックを全開にしてメロメロにし「キャロラインと離婚しないと、もう一緒に寝ない」と、ベッド・イン・ストライキ闘争に入った。

当時はまだカソリックであるからして、離婚はできない。神をも恐れぬ要求だが、好き物のヘンリー8世、アンといたしたいばっかりに教皇庁、神聖ローマ帝国皇帝、ヴァチカンなどを敵に回し、ついに決別。ついでにラスベガスみたいに簡単に離婚できる英国国教会を造っちまうのである。

したがって現在の英国国教会はヘンリー8世の性欲が造ったなんて言ったら、お叱りを受けるかもしれないが、ロンドンに遊びにいって教会を見る度に「まいったなあー性欲か・・・」と思ってしまうのも事実だ。

大人の社会にはたとえくだらなくとも理由付けが大切だ。

つまりこうだ。カソリックで結婚したので、離婚はできない。したがってもともと結婚そのものが無効だったなんて、めちゃくちゃなこじつけで決着を図る。

で1533年、晴れてアンが正式な王妃となる。

アンはエリザベスを生むが、ますます増長し、宝石、衣装の贅沢三昧ならまだしも、庶民の身分になったキャサリンになんとエリザベスの侍女になれと強要するほどのイカレポンチ。いくらなんでもヘンリー8世も愛想が尽きた、というか、こっちはこっちで異状性癖がどうにも止まらない。また若い侍女と良い仲になり、なんと今度は、不義密通の罪でアンを処刑しちまうのだ。

エリザベス2歳の時だ。

父が母を処刑する狂気を見せられれば、娘の心は鉄になる。

鉄の女と化したエリザベス1世の活躍は、ご存知のとおり海賊をまとめて、スペインの無敵艦隊を破って英国の黄金時代を築くのである。

 

蔵出しコインは珍品だ。

年代はどこにも書いていない。

しかしコレクターには見分けがつく。1592年から1595年の間(第6鋳造期と呼ぶ)なのである。鍵はエリザベス女王の頭上左の小さな樽だ。この樽が鋳造年間を示す印となっている。(Gold Coins of the Worldでは第5鋳造期になっているが、間違いだ。カタログの方が間違えることもある)

発行枚数は、おそらくウナとライオンと同程度、つまり400枚くらいであったとされているが、現存枚数は極端に少ない。世界中を漁っているプロでも年に1枚見かけるか否かだが、見かけてもたいがい折れ曲がっているか、エリザベスの顔が磨滅しているかで、これほど素晴らしいものはおそらく50枚以下ではないだろうか?

ウナとライオンは、今AUで1200万円以上だ。
それにくらべて、もっと稀少な蔵出しエリザベス1世コイン、この価格は驚愕だ。

白状すると、ほんとうは595万円で出そうとしていたのだ。
それを加治はツイッターに間違って495万円と書いてしまったので、男に二言はない。
今回はこの値段で、笑い泣きでOKにする。

この幸せ者?!

RSS Feed  Posted on 2013-04-01 | Posted in 最新情報 | Comments Closed

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