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オーストリア ザルツブルグ 8ダカット金貨 1593年 ヴォルフ・デイトリッヒ・フォン・ライテナウ
ヴォルフ・デイトリッヒ・フォン・ライテナウ(1587-1612)EF+/UNC
直径:約36mm 重量:約27.714gm
現存推定2枚
今回の蔵出しはすごい!
これは、現存なんと推定2枚の大珍品だ。
世界に冠たる『Gold Coins of the World』のカタログの写真は、今回の蔵出しコインそのものだろうといわれているが、加治も10倍の虫めがねで見てそう思う。はっきり言ってこういう大珍品は、普通1500万円以下では買えず、オークションで大化けしてもぜんぜん不思議じゃない。たんと儲けてちょうだい!
蔵出しコインは、イタリアのメディチ家と姻戚関係にあるヴォルフ・デイトリッヒ、神聖ローマ帝国の大司教だ。
ザルツブルグのブルグは砦のことだ。ザルツは英語のソルト、塩。だからザルツブルグは「塩の砦」で岩塩の産地なのである。塩は莫大な富をもたらす。
大司教といっても、当時は王様と兼ねていてザルツブルグの「小ローマ化」を目指した。しかし意外にも、ユダヤ教徒の庶民、美女サロメ・アルトと恋に陥る。彼女のためにルネッサンス様式の小さな城(アルテナウ)を新築。今も残るこの庭園は映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台として撮影の場になっており、マリアと子供たちがドレミの歌を歌いながら駈け上がって行く階段もある。そしてこの城で15人もの子供を造っちゃったというから、カソリックの大司教がいいのだろうか。陰でこそこそやるより断然いい。恋は自由だ!
自由だけど加治も、今を遡ること25年前ロンドンでたった1回、しかも3時間話しただけのユダヤ人の女性が、突然加治のロサンゼルスの家を尋ねてきて、驚いたことがある。余計な話です。
大司教は塩の製塩権をめぐってバイエルン公マクシミリアンと闘って、敗れる。1612年に退位させられ、ザルツブルグの今も残る美しいホーエンザルツブルグ城に幽閉されたまま一生を終えたのである。
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