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オーストリア 100コロナ金貨 1908年 フランツ・ヨーゼフ1世 PL/AU
オーストリア 100コロナ 1908年 フランツ・ヨーゼフ1世(1830-1916)
在位60周年記念金貨 PL/AU
直径:約36mm 重量:約33.9gm
京都近江屋で坂本龍馬が暗殺されたころ、ヨーロッパでは、オーストリア帝国が、ガタついていた。
内部住人であるマジャル人、まあマジャル人というは、ノアの箱舟が辿り着いたというアララト山が含まれるコーカサス地方に住む、いわゆる白人コーカソイドで、ユダヤ系も混じっていたりするのだが、そのマジャル人の圧力によって、いわば半独立国として自分たちの国、ハンガリー王国を認めろ!と騒いだのである。
で、要求は通った。
その結果、フランツ・ヨーゼフ1世は、オーストリアの皇帝にして、ハンガリア王国の国王となる。
国名は「オーストリア=ハンガリア帝国」などとヘンテコに書くが、支配層はドイツ人だ。
領土は広く、オーストリア、ハンガリーはむろんのことボヘミア、ボラヴィア、スロヴァキア、クロアチア、ボスニア・・・などを抱える多民族の大国家が出現した。
今どきの若者なら「スゲーなあ」と、教養の欠片もない感嘆語を漏らすかもしれないが、フランツ・ヨーゼフ1世の血筋を知れば、スゲーのも納得する。
祖父はかの神聖ローマ帝国皇帝フランツ2世だ。で、父親はカール大公。
つまりオーストリア=ハンガリー帝国は、華麗なるハプスブルグ家最後の帝国だったのである。
徳川は300年で崩壊したが、ハプスブルグ家はなんだかんだと650年もの間、君臨していたのだからさすがだ。
フランツ・ヨーゼフ1世の母は、バイエルン王の娘ゾフィーである。
これまたえらい美貌の持ち主で、息子のマザコンはそれが理由だと、加治は見ている。
母をしのぐ美女、エリザベートと結婚したのは、母親を振りきるためではないだろうか。
そうそう、昔宝塚に一度招待されて観た、演目が「エリザベート」だった。
だからなんだ、と突っ込まれても、なにもないので、突っ込まないでいただきたい・・・。
1908年、大変な事件が起っている。
「サラエボ事件」だ。
セルビア民族主義者の「黒手組」が、なんとオーストリア=ハンガリー帝国皇太子夫妻を暗殺したのだ。
この事件がきっかけとなって、第一次世界大戦が勃発するのだが、最近になってセルビア政府の陰謀ではなく、 レーニン率いる共産主義が、世界革命の一貫として、黒手組を組織したという調査もある。
蔵出しコインは、サラエボ事件勃発の年だ。
なのにコインは、穏やかである。
サラエボ事件はもちろんのこと、8年後に起る世界大戦さえも夢想だにしなかったのか、それほど平和的だ。
フランツ・ヨーゼフ1世の肖像も見事だが、裏面の「雲上の女神」が静かに輝いている。
説明書きを長く書いた。説明原稿料より安い値段で出品するので、大切にして欲しい。愛を込めて!
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