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ドイツ・ハンブルク 5ダカット金貨 船と灯台 1803年 EF
ドイツ・ハンブルク 5ダカット金貨 船と灯台 1803年 EF
直径:約40mm 重量:17.29gm
覚えているかな、「ハンザ同盟」。たしか中学生で習ったと思う。
神聖ローマ帝国内で造られた、神聖ローマ帝国に忠誠を誓う、ドイツ圏内の自由都市同盟だ。
その起源は12世紀に遡る。
ドイツを中心とした都市間交易の特権狙いの商人同盟がはじまりだ。早い話が、余所者を排除し、互いに甘い汁を吸いたいわけで、いつの時代にも商売には縄張りがあり、拡大しようとすると昔は殺し合いになったものだ。
「テメー誰に断って、ここで店ひろげてやがんでぇ」
いってみればヤクザみたいなものだから、武力が必要不可欠となる。
後ろ盾になったのが、北方十字軍のドイツ騎士団だ。
恐ろしげなドイツ騎士団を用心棒にした都市間ネットワークがハンザ同盟だが、ヨーロッパ全土へと広がってゆき、15世紀の最盛期には200の都市が加盟した。
しかし1410年ドイツ騎士団はポーランド、リトニアの大連合軍に敗れる。
この躓きに、さらに足払いをかけたのが英国王の支援を受けたイギリス商人、それにチャンスをうかがっていたけっこうヤバイ、オランダ商人グループだ。ぐんぐんと食い込み、経済的、政治的に追い詰め、ヘトヘトになった「ハンザ同盟」は、1669年機能マヒにおちいる。
どっこいハンザ同盟、自由都市は生きていた。
いまでもハンブルクとブレーメンだけは「自由ハンザ都市ハンブルク」「自由都市ブレーメン」が正式名称だ。
ハンブルク、リューベック、ブレーメン、フランクフルトは、自由都市を細かく、細かく描いた名品、珍品コインの数々を世に排出しているが、これだけはコレクターとして覚えておいて欲しい。
つまり自由都市発行のコインは、君主の肖像がないのが特徴なのである。
自由、平等都市の面目躍如だ。
今回の蔵出しコインは、その中でも珍しい5ダカット、現存推定20枚である。
さらりと言ったが、もう一度言う、現存推定20枚ですぞ。
なにかの間違いではないかと思うかもしれないが、この自由都市の素晴らしい波動を味わってもらいたく、この値段で蔵出しする。
幸せ者!
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