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ブラジル 6400レイス金貨 1776年 EF ジョゼ1世
ブラジル 6400レイス金貨 1776年 ジョゼ1世 EF
直径:約32mm 重量:約14.34gm 金品位:0.917
ポルトガル王(1714-1777)
ジョゼ1世はポルトガル王、ジョアン5世の息子だ。母親は神聖ローマ帝国の皇女マリア・アナである。 ジョゼ1世は由緒正しいボンボンだが、ボンボンにふさわしく音楽、特にオペラ好きで、やり手のポンバルに国政を委ねた。 このポンバルが、すごかった。 植民地の奴隷制を廃止、産業革命的重商主義もどきのことをやりとげ、ポルトガルをあっというまに豊かな国に押し上げたのである。
1755年、リスボン大地震が発生する。 目を覆う大惨事だ。マグ二チュード9クラスの大地震、5メートルの地割れと共に、リスボンの街がガラガラと倒壊し、6万人が死んだ。 間一髪で生き残ったポンバルは、再建に乗り出す。街を造り変え、聖職者の反対を押し切って、市内に転がっている遺体を沖に流して水葬にしたのだが、これで疫病は発生しなかった。 やればできる! 東北もポンバルがいれば、もっと早く復興できるのに。よけいなことですが。 これに気をよくしたジョゼ1世は、ますますポンバルを重視する。 「みなの者、余はポンバルに任せた。すべてあの男に訊け!」
頭にきた貴族たちはジョゼ1世、暗殺未遂事件を引き起こす。 貴族は弱い。あれよあれよというまにポンバルは、拷問、投獄、処刑・・・そこまでしなくともいいのにというほどの大弾圧に乗り出し、ポルトガル最大の大貴族なんかは文字通り八つ裂きの憂き目にあう。 ポンバルのすごいのは、その矛先をカソリック最大の組織、イエズス会に向けたことだ。 陰謀に加担したとして領地を没収し、審問所を収奪。他のキリスト教、ユダヤ教を平等に扱い、ユダヤ系ポルトガル人を迫害から救ったのである。この辺がポンバル・フリーメーソン説が流れる由縁だが、はっきりいってポルトガルは今でもフリーメーソンが強い。リスボンの検察庁入口には、堂々とフリーメーソン・マークが打ちこまれている事実は、おやおやだ。 ポンバルはジョゼ1世が死ぬまで独裁者として仕えたが、ジョゼ1世が死去すると未亡人マリアナ・ビクトリアは、非情なポンバルを徹底的に嫌った。 たちまち宰相を解任し、田舎にリタイヤさせ、ポンバルは平和のうちにこの世を去ったのである。幸せだったと思う。
蔵出しのコインは、ジョゼ1世の肖像。 くりくりのカールヘア、一見、女性のようで、美し過ぎる顔だ。 ブラジルの6400レイスの、もう一種類は、娘のマリア1世。父娘でそれぞれ6400レイスを飾っているのである。 安全第一財産保全型の、典型的な地金型金貨だ。
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