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ヴァチカン 100リレ金貨 1933/1934 AU/UNC ジュビリー ピウス6世
ヴァチカン 100リレ金貨 1933/1934 AU/UNC ジュビリー ピウス6世
直径:約23.5mm 重量:約8.8gm 金品位:0.9000
発行枚数23,000枚
珍しいヴァチカンのコインだ。
ピウス6世が教皇になったころ、カソリックの総本山ヴァチカンは以前からくすぶっていた問題が益々はげしく燃えさかる。
ヨーロッパ各国とカソリックの布教組織イエズス会の対立である。
各国のナショナリズムが強まり、国は自分達の王権のもとに国をまとめあげようとするのに対し、イエズス会は教皇への忠誠を一番にせよと頑張る。国としては面白いわけはない。
しかしピウス6世は、中立を保った。
そのために両陣営から信頼を失い、孤立しちゃうのだが、それ以上の大事件は、フランス革命だ。
カミーユ・デムーランが「諸君、武器を取れ!」とパレ・ロワイヤルで叫び、バスティーユ監獄を襲撃して口火を切ったのが1789年のフランス革命だ。
軍司令官のナポレオンは強い。フランス政府は国内のカソリック教会の財産を没収したのである。
ローマでフランスの使節が殺害されると、黒幕は教皇だとして、ナポレオン自らが教皇領に侵攻。
その結果教皇軍は敗北し、フランスに屈服する。
さらに1797年ローマで再びフランス軍司令官が殺害されると、教皇の退位を迫った。
しかし、ガンとして拒否。頭にきたフランス軍が再び侵攻してピウス6世を捕虜として連れ去ったのである。
彼はイタリア、フランス各地を引き回されて、1799年失意のうちにこの世を去る。
蔵出しコインは、武力にも信念を曲げなかったピウス6世を称えた記念貨だ。
横顔はヴァチカンの星一徹、頑固おやじはこれだというピウス6世。
見かけによらず彼は、芸術を愛し公共事業に理解を示している。
今も残るヴァチカン美術館はピウス6世の発案である。
コインの裏は神々しいキリスト。足元で子供が王冠のようなものを持っているように見える。
細工は実に細かく、キリスト教信者垂涎の一枚で、ペンダントにしちゃう信者さんもいる。
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