加治将一オフィシャルサイト 『加治将一の部屋』

古代ギリシャ

Posted on 2012-10-24
古代ギリシャ アッティカ地方アテネ テトラ・ドラクマ銀貨 VF

 

古代ギリシャ アッティカ地方アテネ
テトラ・ドラクマ銀貨 VF(発行期間449-413BC)

直径:約20mm 重量:約17g

アテネの奥地のアウレア山からガッツリと銀が産出して、山とコインが生まれた。

これらは地中海貿易の主要な通貨となり、アテネは、その経済力を持ってギリシャの中で不動の地位を築く。
テトラ・ドラクマのテトラとはギリシャ語で4のことである。

よく日本の防波堤で使っているやつはテトラポッドだが、4つ足という意味だ。したがってテトラ・ドラクマは4ドラクマとなる。当時労働者の日当が1ドラクマで、ちょうど一家4人の1日分の生活費というから今の1万円くらいだろう。

表面のヘルメット姿はアテナ守護神。彫りの深い完璧なギリシャ人の横顔だ。

裏面には丸ーいお目目のキュートなフクロウが描かれている。西洋では、フクロウが智の神様だ。

オリーヴの葉とフクロウの間を見逃してはならない、ちっちゃな三日月がある。AOE(アテネの意味)のアルファベットが三つ打たれたことにより、全体としてのバランスが保たれている。

テトラ・ドラクマは鋳造金型が複数あって、それ次第で、フクロウの胸の膨らみ、首の傾きなどが微妙に違ってくる。その違いも楽しいが、愛好家同士では少しの違いで、高額取引されているアイテムがあるのだ。

テトラ・ドラクマのほとんどは、後の征服者の手によって使用不可とするべく斧状の道具で無残な打刻傷を入れられているが、今回の蔵出しコインは免れている。捜してみるがいい。めったに出ない貴重な一品だ。

またフクロウちゃんの胸は豊かで福々しい。縁起もののフクロウがかわいらしく、女性には大人気、ペンダントを作る女性もいる。

打刻傷のあるものは通常5万円以下だが、ないものはとうぜん高く、状態によっては40万円くらいのものもある。

 

Posted on 2012-10-24
古代ギリシャ ゼウガタニア(カルタゴ) テトラ・ドラクマ銀貨 VF

 

古代ギリシャ ゼウガタニア(カルタゴ) テトラ・ドラクマ銀貨 VF

テトラ・ドラクマ銀貨 (発行期間350-323BC)

直径:約20mm

アフリカ大陸側にあったカルタゴはBC6世紀ころ、地中海をほぼ手中に収めた。民族的にはフェニキア人ではないかといわれているが、フェニキア人自体が謎で、詳しいことは分かっていない。カルタゴがシシリー島を挟んで長い間闘ったのがギリシャだが、ギリシャが衰退すると、今度はローマが立ちはだかる。

第一次ポエニ戦争、ローマがカルタゴに勝利する。

第二次ポエニ戦争で、いよいよカルタゴの智将ハンニバルの登場だ。

兵力4万、象30頭を引き連れ、だれもが予想だにしなかったあっと驚くアルプス越えだ。過酷なアルプス越で兵力の3分の1を失い、残った象も一頭だけだったが、ハンニバルは怒涛のごとく攻め込んで連戦連勝。ハンニバルの戦いぶりに、敵のローマ人すら魅了され、尊敬の的となるが、加治も彼の智力、胆力に敬服する。
蔵出しコインは、ポエニ戦争前のものだ。

妖艶な女神(妖精)アレトゥーサの回りをイルカが泳いでいる。アレトゥーサはギリシャ神話で、オルゲュギア島の泉になった美形の女神だ。

その泉の水を呑めば予言者になれるというのだが、加治もなんだが未来が読めるようになってきた気がするのは、このコインを長い間持っていたせいだろうか?

裏面にカルタゴの象徴、馬がリアルに描かれている。

 

 

Posted on 2012-10-24
古代ギリシャ エジプト プトレマイオス王朝 アルシノエ2世 EF

 

古代ギリシャ エジプト プトレマイオス王朝 アルシノエ2世 EF

プトレマイオス2世(在位288-246BC)

直径:約21mm 重量:約28g 金品位:-

そもそも父親のエジプトのファラオ、プトレマイオス1世とは何者か?

エジプト人ではない。ギリシャ人だ。

ギリシャのアレキサンドロス大王の副官だったのだが、このアレキサンドロス大王というのはとんでもない英雄だ。

20代でオリエント一帯を征服し、ついでにエジプトもいただいちゃって、ファラオの座に就く。ギリシャ人がエジプトの王になっちゃったのだが、彼がナイル川のデルタ地区に造った都市が、アレキサンドリアだ。大王の名前である。

大王が死に、副官のプトレマイオスが、そのアレキサンドリアで開いたのがプトレマイオス朝である。

もう一度言うがエジプトは、紀元前にギリシャ人に乗っ取られているのである。

加治は日本列島も、途中で高度な文明を持つ大陸の大勢力が侵略した乗っ取り王朝だと考えているのが、そんなことはどうでもよろしい。で、エジプトのファラオとなったプトレマイオス1世の子が2世だ。

2代目はだいたいダメだと相場が決まっているが、プトレマイオス2世は違った。同民族のギリシャ人を支配官僚とした中央集権国家を作り上げる。

これが功を奏し、国は絶好調に潤い、王はありあまる資材を投入、世界から学者を集め、博物館、美術館、世界最大の図書館などを造った。学問が大いに栄えた5世紀、突如キリスト教信者が侵略し、ご無体にも学者の虐殺を伴う乱暴狼藉の限りを尽くしてそのほとんどを破壊したのである。キリストの愛と赦しの真逆の行為だろう、そんなのは。よけいなことですが。

さて、今回の蔵出しコインはこんもりと盛り上がった3Dが際立っている。

立体の美人、アルシノエ2世をたっぷりと味わっていただきたい。官能的だ。アルシノエ2世はプトレマイオス2世の妻だが、同時に正真正銘の姉なのだ。

姉でもあり妻であるアルシノエ2世は賢くも強かった。

プトレマイオス王朝最後のファラオ、クレオパトラの先駆けだと言われるゆえんはそのためで、古(いにしえ)の兄妹愛を象徴するコインなのである。裏面は二つの豊穣の角コルヌ・コピアに果物と花が満たされている。ギリシャ神話から取ったもので、ゼウスが望みをかなえる羊の角を与えた場面で、このコルヌ・コピアの伝説は生まれた。