


コインの取り扱い方
スラブケース
昔は裸コインが普通でしたが、今はプラスチックの通称「スラブケース」にパッキングされているのが常識です。
なぜ「スラブケース」が登場したかというと理由は1つ、ネット通販の普及です。
ネット通販では実物コインが手に取って見えない。
ディーラーにいるプロのアドバイスが聞けないなど、コインの見分けや価値に不安がありました。
そこで2010年くらいから急速に広がりました。
発祥はアメリカです。NGC、PCGSが有名ですが、これらはスラブに入れるたんなるパッキング会社ではなく、アンティーク・コインの「鑑定格付け会社」です。真贋の見極め、年代、グレードまでを測定、ケースに印字します。これにより、初心者のアマチュアでも、安心してネット通販で買えるようになりました。
裸コインの扱い方
むしろ裸コインも流通しています。ケースを頑固に拒否する昔気質のコレクターもいます。
そんな人からコインを受け取った場合どう扱うのか?
可愛さのあまり、コインに歯磨き粉をつけて歯ブラシでゴシゴシ磨く人がいますが、想像するだに恐ろしい。
絶対にお止めください。
それでコインは即死です。
コインを磨いてはなりません。
拭く必要もありません。
もし、コーヒーをこぼしたとしてもせいぜい、ティッシュを押し当てるだけ。
コインは親指と人差し指の2本で円縁を挟むようにつまみ、表面に指紋が付かないように持つのですよ。
手に取って観る場合は、机の上に布を敷きその上にそっと置いて眺めるのがベストです。
コインたちから、くれぐれもやさしく扱ってね!とお願いされております。
コイン・ラブ!
コインの保存方法
スラブケース入りコインは乱暴に扱うとヒビ割れすることがあります。特に10~20年の経年劣化で割れやすいので、湿気のない、高温にならない日陰、耐火金庫に安置しておきます。
裸コインは、だいたいビニール・パックに入って売っています。でも長時間のビニール・パックはよくありません。
原因はビニールに含まれる化学物質。こいつがじわりと浸み出てコインを痛めるのです。
紙袋はどうか?
これもよろしくない。
今どきの紙には、やはり化学薬品が使われており変色の原因になりかねないというのが専門家の意見です。
特に銀貨、銅貨、白銅(アルミ)貨は、黒ずんだり緑色がかったりと、なにか とトラブルが起きやすい金属、要注意です。
ベッチン、もしくはビロードと呼ばれる布で覆われたコイン専門のトレーに素っ裸で置く。
コインの量が増えたら、トレーごと安全上耐火金庫に入れましょう。
金庫には一時間耐火、二時間耐火、三時間耐火などがありますが、二時間以上をススメます。木造住宅が一時間以上燃え続けることはありえず、鉄筋コンクリートのマンションでも、だいたい一時間半もあれば鎮火するからです。
高層マンションで、数時間くすぶったなんてこともある場合は、どんな金庫屋さんでも責任負えませんがね。
一月に一度か、二度は金庫を開けて風通しをよくする。そのためにもときどき、愛しさいっぱい、親しさいっぱいにコインを眺めてください。